MSIコンセプトの考案者であり、
ワシントン大学理学療法学科のシャーリー・サーマン名誉教授が
なぜ理学療法士にとって運動系と診断(分類)が不可欠であるかを語られています.
NexusMotion代表の諸谷先生翻訳より
”それでは、次の大きな問題点は理学療法の専門職にとって運動系とはどういう意味を持つのかということだ.理学療法は何なのか、そして我々はどのようにもっと公に認められればいいのか、いろいろな点でPTの専門職は同じように苦しんでいると思います.
理学療法士としてかれこれ50数年、私が見てきたことは我々はある特定の流行の治療方法に従う傾向があることです.メイトランド、ボバース、マッケンジー、これらは治療のシステムであり、根本的な問題についてではないのです.
我々が特定の体系に対して何をしているということではないのです.そして私にとって特に重要なことは、診断をはっきりさせることに我々が非常に不完全であったことです
うち(ワシントン大学)では、Barbara Norton教授が2006年以来Diagnosis
Dialogというパネルを通してとてつもない努力をされてきたが、診断ということに対して何かが起こることはとても難題なことであった.アメリカ理学療法協会は診断の重要さに対して何もしてきていない.我々が分類をしない限り誰も理学療法士が何かを解決できるとは思わないということが私にとって明確だ.学生達も何をどう進めばいいのかは分類をしない限りわからない.
運動系と進むにあたって二つのメリットがある.これからは、我々は運動系の診断をすると主張できる.理学療法の診断ではなく、医師がするべき診断ではなく、運動系の診断である.もう一つのメリットは運動学に焦点が当てられることである.病理運動学でもいい、運動病理学でもいい、ただ運動が我々の焦点になっていることだ.そして、運動がどのように(運動系を作り上げている)その他の体系に影響しているかを正しく理解することだ.2013年にアメリカ理学療法協会が運動系をアイデンティティとして採用したように、これからは運動系が我々本来のアイデンティティを示してくれる.これによって理学療法という職業に団結力をもたらし、PT達に我々の専門的知識が何なのかを示す.運動系を専門とすることを誇りに思い、これを公に宣伝しなければならない.そして我々の診断方法や分類法がいったいどうあるべきか注意を向けるべきである.私にとって診断の重要さはただPTや公のためではなく、その他の医療関係者のためでもあると思う.PT自身が多くの知識を整理整頓し、症候群につなげ診断カテゴリーに導く頭脳があることを医師達が認識することで、患者さんを紹介してもらい運動系の診断を得ることができるようになる.私のキャリアを通して長過ぎるというほど、PTから得た情報を一人の医師がまるで自分が解決したかのように他の医師に伝達することを見てきた.我々が真に解決してきたことに対して尊敬を得られていないことに常に苦痛を感じてきた.そうではなく、医師と医師同士の間でその解決案が通ってきた.運動系がPTの専門知識だと主張することは理学療法士のコミュニティー内、そして我々の職業外でもきわめて重要なことである.
NexusMotion代表の諸谷万衣子PT DPT OCS
による解説の動画となります。
事前学習としてわかり易く解説しておりますので、
是非ご覧ください。